採択課題

CasMab法を基盤としたがん特異的抗体の臨床開発

研究開発代表者

加藤 幸成

東北大学

がん特異的抗体(CasMab)の開発

ヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)に対するがん特異的抗体(CasMab)の開発

ヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)に対するがん特異的抗体(CasMab)の開発:東北大学では、HER2を標的とするHER2-CasMabの作製に世界で初めて成功した。HER2-CasMabは、がん細胞に対して高い反応が見られ、正常の上皮細胞には全く反応しない。

プロジェクトメンバー

加藤プロジェクトのキックオフ会議にて:左から、加藤(東北大)、大石(微化研)、有森(大阪大)、禾(横浜市立大)

バイオ医薬品の売上の中で抗体医薬品が占める割合は非常に多い状況です。小分子化抗体や二重特異性抗体などのあらゆるフォーマットが開発され、抗体薬物複合体(ADC)・T細胞誘導療法(BiTEなど)・キメラ型抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法など、抗体を用いた各種モダリティへの応用が活発化しています。一方、がん細胞に特異的な抗体でなければ、常に正常組織への毒性が懸念されます。しかし、がん細胞のみに高発現している分子は限られ、理想的な標的分子は枯渇しています。そこで、たとえ正常細胞に高発現していても、副作用のない抗体医薬品が作製できれば、難治性がんに対する治療法の開発が一気に進むと考え、先端的バイオおよび革新的バイオの10年間において、この問題を解決する革新的な技術開発を行い、合計56件の企業導出を行いました。特に、東北大学が開発したCasMab(キャスマブ)法は、正常細胞に高発現している膜タンパク質に対してもがん特異的抗体を直接取得することができるようになりました。
本課題においては、難治性がんに対して迅速かつ高精度にCasMabを作製することを目的とします。アカデミアから企業へのシーズ導出は重要な課題ですが、これが最終目標ではありません。シーズを臨床治験に進め、患者さんのもとへ届け、治療法がなく苦しんでいる患者さんを救うことが最終目標です。多くの連携機関と共同でAMED内連携を強化し、CasMabを各種モダリティに応用し、難治性がん克服のために邁進します。

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