本年度スタートした本事業「スマートバイオ創薬等研究支援事業」では、日本から革新的なバイオ医薬品等を創出すること、またこの領域の国際競争力を強化することを目標に掲げています。5か年の計画でバイオ医薬品等の高機能化に資する基盤技術や、創薬周辺基盤技術等の要素技術、更に疾患応用研究等との組み合わせで、国内の優れた創薬シーズの研究、事業開発を推進すると共に、速やかな臨床応用につなげることで日本発の革新的な高機能バイオ医薬品等の創出を目指します。この大きな目標の達成を目指し、国内の最も有望な研究シーズ15件が初年度採択されました。
我々支援班は、プログラムスーパーバイザー(PS)、プログラムオフィサー(PO)指導の下、本事業を上記目標達成に向けて機動的かつ円滑に運営することを目的として組織されました。参加機関はAMEDの先行事業である「先端バイオ医薬品創出基盤技術開発事業」にも支援班として参画した東北大学、慶応義塾大学に加え、大阪大学、広島大学が今回新たに加入しました。支援班を構成する約20名のメンバーは大手製薬企業幹部、バイオベンチャー経験者、弁理士、薬事行政などのバックグラウンドに基づく薬理、知財、非臨床試験、CMC(医薬品製造)、薬事規制、臨床開発など創薬に必要な多種多様な専門性を有しており、幅広い支援が実施可能な体制を整えております。またそれぞれの専門性のみならず、各メンバーが有する広範な人的ネットワークを駆使することで、AMED他事業、ベンチャーキャピタル、上場/非上場バイオベンチャー等との連携もサポートさせて頂きます。
近年台頭してきている遺伝子治療や細胞医療、また既存モダリティとの組み合わせも含む複合的なアプローチなど、本事業で取り組むバイオ医薬品開発は本当に長く険しい道のりです。この険しい道を進みゴールにたどり着くにはアカデミア、バイオベンチャー、ベンチャーキャピタル、製薬企業、行政などの密接な連携を通して、学術、生産技術、知財、薬事、臨床開発など多くの課題を解決しなければいけません。本事業関係者が一丸となってこれらの課題を乗り越え、極めて優れた研究成果である国内の研究シーズを一日も早く医薬品として病気に苦しむ患者さんに届けることが我々全員の共通の想いです。冒頭に掲げた本事業の目標達成とその想いの実現に向けて、支援班一同精一杯取り組みます。